東京都港区のクリニック開業事情
東京都港区におけるクリニックの件数
全国平均と比べて、港区の施設種類別の医療施設数は全ての科目において充実しており、特に内科系診療所と外科系診療所、歯科診療所が多い傾向にあります。
また「人口10万人あたりの施設数」を東京都全体と比較した結果では、内科系・外科系・産婦人科系・皮膚科系・耳鼻科系・精神科系・歯科診療所ともに、東京都の平均の2倍以上の施設数があり、港区の医療施設の競争率の高さが分かります。
医療環境が整っている地域のため、これからクリニックを開業しようとする人は競争率の高さを念頭に入れておく必要があるでしょう。
港区の施設数(2022年11月現在)
一般診療所合計 |
642 |
内科系診療所 |
438 |
外科系診療所 |
218 |
小児科系診療所 |
84 |
産婦人科系診療所 |
88 |
皮膚科系診療所 |
202 |
眼科系診療所 |
43 |
耳鼻咽喉科系診療所 |
40 |
精神科系診療所 |
107 |
病院 |
12 |
人口10万人あたりの施設数(2022年11月現在)
一般診療所 |
港区 |
246.46 |
東京都 |
89.28 |
内科系診療所 |
港区 |
168.15 |
東京都 |
59.20 |
外科系診療所 |
港区 |
83.69 |
東京都 |
24.72 |
小児科系診療所 |
港区 |
32.25 |
東京都 |
23.12 |
産婦人科系診療所 |
港区 |
33.78 |
東京都 |
6.36 |
皮膚科系診療所 |
港区 |
77.55 |
東京都 |
20.18 |
眼科系診療所 |
港区 |
16.51 |
東京都 |
8.85 |
耳鼻咽喉科系診療所 |
港区 |
15.36 |
東京都 |
6.49 |
精神科系診療所 |
港区 |
41.08 |
東京都 |
10.69 |
病院 |
港区 |
4.61 |
東京都 |
4.46 |
東京都港区の人口推移
次に港区の平成31年度(2019年度)から令和5年度(2023年度)までの人口推移を見ていきましょう。
下記の表の通り、2020年から2年間は人口が減少していますが、2023年度は再度人口が流入。過去数年間で最大の261,615人という総人口となっています。都市開発によるマンション等の建設により、港区の人口はは今後もしばらくは増加の傾向が続きそうです。
2019年 (平成31年) |
総人口 |
257,426 |
世帯数 |
145,865 |
総人口の増減 (前年度比) |
3,787 |
2020年 (令和2年) |
総人口 |
260,379 |
世帯数 |
147,693 |
総人口の増減 (前年度比) |
2,953 |
2021年 (令和3年) |
総人口 |
259,036 |
世帯数 |
146,527 |
総人口の増減 (前年度比) |
▲1,343 |
2022年 (令和4年) |
総人口 |
257,183 |
世帯数 |
145,951 |
総人口の増減 (前年度比) |
▲1,853 |
2023年 (令和5年) |
総人口 |
261,615 |
世帯数 |
149,488 |
総人口の増減 (前年度比) |
4,432 |
港区でクリニックを開業するための準備
医師・歯科医師の場合
開設手続きの流れ
港区で医師本人が代表となって個人クリニックを開設する場合、「診療所開設届(個人)」の届出を提出しなくてはなりません。診療所設計段階での構造設備等の指導があるため、クリニックの建設や改装施工前に「港区みなと保健所 生活衛生課」に相談してください。
診療所開設届は、開設後10日以内に提出します(開設前の受付は不可)。その後、診療所の設備や構造が届出通りであるかを管理者の立会いのもとで現地検査を実施。問題がなければ検査終了後に副本が返却されます。
開設届に必要な情報・記載項目
開設届に必要な情報や記載項目は下記の通りです。
- 名称:施設名称については「医療広告ガイドラインに関する Q&A」に「医療機関の名称も広告と扱われる」とあるため、関係法令等に沿ったものとしてください。
- 所在地、電話番号:ビル内診療所の場合、ビル名、フロア数まで記入してください。
- 診療科名:標榜できる診療科目名は、医療法第6条の6医療法施行令第3条の2、医療法施行規則第1条の9の2の2~5、第1条の10で定められています。
- 開設者:現に病院又は診療所を開設し、管理し、又は勤務している場合はその内容を記入してください。
- 開設年月日:開設した年月日を記入します。なお、開設届は、開設後10日以内に届け出てください。
- 管理者:個人開設の場合、原則として開設者と同じ医師が管理者となります。ただし、やむをえない事情の時は、「他の者管理」の許可をする時があります。また、すでに別の病院又は診療所で管理者就任している医師は、医療法第12条第2項の規定に基づく許可を受けた場合を除き、管理者になることができません。医師免許申請年月日が平成 16年4月1日以降の場合は、臨床研修修了登録証が必要に
なります。
- 診療日時
- 診療に従事する医師(歯科医師)の氏名、担当診療科名、診療日時等:管理者を含め、勤務するすべての医師、歯科医師について記入してください。
- 業務に従事する助産師の氏名、勤務日時等:業務に従事する助産師については、記入してください。
- 医療従事者(薬剤師)の氏名等:薬剤師については、記入してください。
- 従業者定員:届出書に記載のない資格者等は空欄に記入してください。
- 敷地の面積:建物の敷地の面積を記入してください。ビル内の診療所の場合、記入は不要です。
- 交通機関及び敷地周囲の見取図
- 建物の構造概要及び平面図:構造概要、延面積は建物の登記事項証明書を確認して記入してください。住宅と併設の場合又はビルディングの一部を使用する場合の面積の欄はクリニックの面積を記入してください。
- 診察室:複数ある時は、第一診察室、第二診察室…、診療科名等で分けてください。
- 処置室:処置室単独の場合は記入してください。
- 歯科治療室:歯科併設の場合は記入してください。
- 歯科技工室:歯科併設で、かつ歯科技工室を設置する場合は記入してください。
- 検査室
- 調剤所:院内で調剤を行う場合は、必要な設備を揃え、記入してください。
- 手術室及び準備室:構造設備は材質等を記入してください。
- 分べん室及び新生児入浴施設:分べん室、新生児入浴施設を設置する場合は記入してください。
- エックス線装置及び診療室:エックス線装置を設置する場合は記入してください。
- その他の施設:用紙に適当な名称がない場合は、空欄に記入してください。
- 建築確認
その他の必要書類
医師や歯科医師がクリニックを開設する場合は、開設届(2部)の提出と共に下記のような添付書類が必要です。添付書類も2部ずつの提出となります。
- 開設者の医師(歯科医師)免許証写し、及び臨床研修修了登録証の写しと職歴書
- 臨床研修修了登録証および免許証の本証の提示と写し ※臨床研修修了登録証は対象者のみ
- 業務に従事する助産師の免許証の本証の提示と写し
- 土地及び建物の登記事項証明書(登記簿謄本)の原本と写し
- 敷地の平面図
- 賃貸借契約書の写し(必要に応じて)
- 建物の平面図(部屋の用途等がわかるように記入すること)
- エックス線診療室放射線防護図:平面図と立面図を提出
- 診療所への案内図:診療所の位置がわかる案内図
- 麻酔科を標榜する場合は、標榜許可書の原本定時と写し
医師・歯科医師以外(法人)の場合
開設手続きの流れ
医師・歯科医師以外(法人)がクリニックを開設する場合、事前に「診療所開設許可申請書」を提出して開設の許可を得なくてはならない点が個人開業の手続きと異なります。
流れとしては下記のようになります。
- 保健所へ事前相談:設計段階での構造設備の指導などもあるため着工前に相談すること
- 医療法人等の設立、又は定款変更に係る手続き
- 法務省で法人登記の(変更)手続き
- 診療所開設許可申請書の提出(手数料¥18,000)
※原則10営業日以内に開設許可書を交付される。
- 診療所開設
- 開設届を港区みなと保健所に届出(開設後10日以内)
- 管理者の立会いのもとで実地検査
開設許可申請に必要な情報・記載項目
開設許可申請に必要な情報と記載項目は次の通りです。
- 名称:施設名称については「医療広告ガイドラインに関するQ&A」に「医療機関の名称も広告と扱われる」とあるため、関係法令等に沿ったものとしてください。
- 開設の場所、電話番号:開設の場所は、定款又は寄附行為に記載のとおりに記入してください。
- 診療科目:標榜できる診療科目名は、医療法第6条の6、医療法施行令第3条の2、医療法施
行規則第1条の9の2の2~5、第1条の10で定められています。
- 開設の目的:定款又は寄付行為に基づき記入してください。
- 維持の方法:具体的に記入してください。(例)「診療報酬収入による」等
- 開設予定年月
- 従業者定員:申請書に記載のない資格者等は空欄に記入してください。
- 敷地の面積:建物の敷地の面積を記入してください。ビル内の診療所の場合、記入は不要です。
- 交通機関及び敷地周囲の見取図
- 建物の構造概要及び平面図:構造概要、延面積は建物の登記事項証明書を確認して記入してください。住宅と併設の場合又はビルディングの一部を使用する場合の面積の欄はクリニックの面積を記入してください。
- 診察室:複数ある時は、第一診察室、第二診察室…、診療科名等で分けてください。
- 処置室:処置室単独の場合は記入してください。
- 歯科治療室:歯科併設の場合は記入してください。
- 歯科技工室:歯科併設で、かつ歯科技工室を設置する場合は記入してください。
- 検査室
- 調剤所:院内に調剤所を設置する場合は、必要な設備を揃え、記入してください。
- 手術室及び準備室:構造設備は材質等を記入してください。
- 分べん室及び新生児入浴施設:分べん室、新生児入浴施設を設置する場合は記入してくださ
い。
- エックス線装置及び診療室:エックス線装置を設置する場合は記入してください。
- その他の施設:申請書に適当な名称がない場合は、空欄に記入してください。
- 建築確認
開設許可申請の添付書類
開設許可書の申請には下記のような添付書類が必要です。添付書類は2部ずつ用意してください。
- 定款、寄付行為又は条例の写し及び登記事項証明書(履歴事項全部証明書)1部は原本、もう一部は写し可
- 土地及び建物の登記事項証明書(登記簿謄本)1部は原本、もう一部は写し可
- 敷地の平面図(一軒家の場合は敷地全体の平面図)
- 建物の平面図
- エックス線診療室放射線防護図(エックス線診療室を備える場合)
- 診療所までの案内図
開設届に必要な情報・記載項目
開設届は開設日前には受理できません。開設後10日以内に届け出をしてください。開設日は診療開始日でなくても構いませんが、診療ができる状態であることが必要です。
- 名称:施設名称については「医療広告ガイドラインに関するQ&A」に「医療機関の名称も広告と扱われる」とあるため、関係法令等に沿ったものとしてください。
- 所在地、電話番号:所在地は、定款又は寄附行為に記載のとおりに記入してください。
- 開設年月日:開設した年月日を記入します。なお、開設届は、開設後10日以内に届出なくてはなりません。
- 管理者:すでに別の病院又は診療所で管理者就任している医師は、医療法第12条第2項の規定に基づく許可を受けた場合を除き、管理者になることができません。医師免許申請年月日が平成16年4月1日以降の場合は、臨床研修修了登録証が必要になります。
- 診療日時
- 診療に従事する医師(歯科医師)の氏名、担当診療科名及び診療日時:臨床研修等修了登録年月日、免許証番号及び登録年月日をあわせて記入してください。
- 業務に従事する助産師の氏名及び勤務日時:業務に従事する助産師については、記入してください。
- 嘱託医師の住所及び氏名(助産所に限る):空欄にしてください。
- 医療従事者(薬剤師、看護師、准看護師、診療放射線技師等):薬剤師については、記入してください。
- その他の従業者
※開設届(第7号様式)に開設者住所氏名(法人の主たる事務所の所在地、名称及び代表者の職氏名)、開設許可年月日と許可番号を記入してください。
開設届の添付書類
開設届に必要な添付書類は次の通りです。こちらの書類も、全て2部ずつ用意してください。
- 管理者の免許証の写し、臨床研修等修了登録証の写し及び職歴書
写しと原本(原本照合をするため)
- 管理者の職歴書(1部には写真貼付/書式自由)
- 診療に従事する医師(または歯科医師)の医師(歯科医師)免許証の写し及び臨床研修修了登録証の写し
原本も持参のこと(原本照合をするため)
- 医療従事者免許証の写し
原本も持参のこと(原本照合をするため)
港区でクリニックを開業するなら
港区でクリニックを開業する場合、区内のクリニックの数の多さから競争率が高いことが予想されます。ただし港区の人口が増えている以上、開設する立地や診療科目を慎重に選べば集患できる可能があるでしょう。
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