豊島区の施設数では内科系診療所が多く、次いで外科系診療所、皮膚科系診療所、小児科系診療所の順番となっています。
一般診療所における人口10万人あたりの施設数は東京都全体よりも多い傾向となっています。いずれの診療科においても豊島区は東京都の平均を超えているという傾向がありますので、開業後の集患が難しいという可能性も考えられます。そのため、豊島区での開業を考えている場合には集患対策をしっかりと行っておく必要があるといえるでしょう。
一般診療所 | 424 | 内科系診療所 | 279 |
---|---|---|---|
外科系診療所 | 121 | 小児科系診療所 | 96 |
産婦人科系診療所 | 38 | 皮膚科系診療所 | 115 |
眼科系診療所 | 42 | 耳鼻咽喉科系診療所 | 30 |
精神科系診療所 | 55 | 病院 | 14 |
一般診療所 | 豊島区 | 140.58 |
---|---|---|
東京都 | 89.28 | |
内科系診療所 | 豊島区 | 92.51 |
東京都 | 59.20 | |
外科系診療所 | 豊島区 | 40.12 |
東京都 | 24.72 | |
小児科系診療所 | 豊島区 | 31.83 |
東京都 | 23.12 | |
産婦人科系診療所 | 豊島区 | 12.60 |
東京都 | 6.36 | |
皮膚科系診療所 | 豊島区 | 38.13 |
東京都 | 20.18 | |
眼科系診療所 | 豊島区 | 13.93 |
東京都 | 8.85 | |
耳鼻咽喉科系診療所 | 豊島区 | 9.95 |
東京都 | 6.49 | |
精神科系診療所 | 豊島区 | 18.24 |
東京都 | 10.69 | |
病院 | 豊島区 | 4.64 |
東京都 | 4.46 |
豊島区の人口推移は平成31年度から令和2年度までは増加傾向にありますが、令和3年になると前年度よりも2,946人の減少、さらに令和3年度から令和4年度にかけては3,958人の減少といったように、減少傾向に転じている状況となっています。
下記に平成31年度から令和4年度までの豊島区の人口推移について表にまとめていますので、ご参照ください。
平成31年度 (2019年度) |
総人口 | 289,508 |
---|---|---|
総人口の増減 (前年度比) |
2,397 | |
令和2年度 (2020年度) |
総人口 | 290,246 |
総人口の増減 (前年度比) |
738 | |
令和3年度 (2021年度) |
総人口 | 287,300 |
総人口の増減 (前年度比) |
▲2,946 | |
令和4年度 (2022年度) |
総人口 | 283,342 |
総人口の増減 (前年度比) |
▲3,958 |
ここで平成28年に豊島区が行った定住・地方移住に関する区民の意識調査を見てみましょう。
まず、豊島区への定住意向に関するアンケートによれば「当分住み続けたい」と回答した人が54.6%、「いつまでも住み続けたい」が30.3%となっており、「住み続けたい」と回答した人が合計で84.9%という結果になっています。
また「いつまでも住み続けたい」と回答した人は年齢が上がるにつれて高くなる傾向があるため(60歳以上は52.9%)、豊島区に定着できれば「かかりつけ医」として定期的に来院する患者を獲得できる可能性があります。
診療所を開設するためには、豊島区への保健所への申請が必要です。個人開設・法人開設それぞれに分けてご紹介しますので、ご参考ください。
診療所開設届【個人開設用】を提出する場合、申請に必要なものは下記の通りです。
診療所開設許可申請書【法人用】を提出する場合には、下記のものが必要となります。
クリニックを開業する際には、まず「診療圏調査」を行ってエリアの絞り込みを行います。調査を行う際に注目しておきたいポイントは「人口」「競合数」「立地」「発展性」「競合確認」の5つです。
また、開業にあたって「コンセプト」の策定は開業を成功させるためのポイントともされており、非常に重要なポイントです。得意分野や今後行っていきたい医療などを元にしながらどのようなクリニックにしたいのかという点を固めることによって、どのような規模でどのような医療機器を導入すればいいか、という点も定まってきます。
さらに診療圏調査や開業コンセプトなどをもとにして、いつ頃の開業を目指すのか、またどのエリアの物件を探すのかといった点を考えていきます。物件についてはテナント物件(一般・商業施設)、クリニックモール、建て貸し物件など、どのような物件種類を選択するかという点も検討しておきましょう。
クリニックを開業する場合には、資金調達のために金融機関への交渉を行っていくことになります。どこの金融機関から融資を受けるかといった点については、金利や返済期間などさまざまな条件があるため複数の金融機関に打診してみることがおすすめです。
また、開業にあたってどの医療機器を導入するかの選定も必要となります。医療機器選定を行う際には、サイズや操作性などをしっかりと確認しておく必要があるため、早めに見学などをしておくと良いでしょう。
事前に決めていたエリアで条件に合った物件・土地が見つかった場合には、契約を行います。その後、設計や内装工事などが必要となりますので、業者を選定することになります。
設計事務所の選定においては、クリニックを多く手がけているところに依頼することがおすすめです。設計事務所が決定したら、設計士と設計・内装について打ち合わせし、工事を行っていきます。開業した際にスムーズに診療が行えるように、スタッフの動線を考えた設計を行うことがポイントです。
クリニックを開業する際には、さまざまな手続きや申請業務を行います。
まずは保健所に対して診療所開設届を提出する必要があります。この開設届についてはクリニック開設後10日以内の提出が定められていますが、できるだけ早いタイミングで事前相談を行った上で開設届を出すというケースが一般的です。これは、開設届を提出した後に保健所による立入検査が入るケースがあるためです。そのため、可能な限り早いタイミングでの事前相談と開設届の提出を心がけましょう。
また、保険診療を行う場合には「保健医療機関指定申請」を行います。この申請は受理されるまでにおよそ1ヶ月かかり、さらに提出期限が各月10〜20日(各厚生局事務所により異なるため確認が必要)と定められています。受理後翌月1日付で指定を受けることになりますので、提出が遅れてしまうと保険診療の開始が1ヶ月遅れてしまうことから、スケジュールには注意しておく必要があります。
開業にあたり、スタッフの採用と教育を行います。診療科目によりスタッフの必要数が異なるため、まずはどれくらいの人数が必要なのかを確認した上で募集広告や求人サイトなどを利用して採用活動を行います。また、採用するスタッフが決定したら、開院に合わせたスケジュールで教育を行います。
スタッフの採用と同時にクリニックが開院についての広告を行って、来院を見込んでいる地域に住んでいる人への周知を行います。チラシや新聞広告に加え、ホームページの制作によってクリニックについて知ってもらうよう取り組んでいきましょう。
東京都全体と比較すると、豊島区はクリニックの集患に関して競争率が高いエリアであるといえます。このように、競争率が高いエリアでクリニックを開業して多くの人に来院してもらうためには、そのエリアの人口や競合数、立地、発展性などを確認し、開業した場合にどれくらいの集患が見込めるかを把握するための診療圏調査を行うことが非常に重要になってきます。
この診療圏調査は自身でも行えるものの、手間や時間がかかることやより正確な数値を得るためには専門の事業者に依頼することがおすすめです。しっかりとエリアの調査を行った上で、集患が見込めるエリアへの開業を検討していきましょう。
【3社の選定理由】
2022年3月17日時点「クリニック開業 東京」「医院開業 東京」とGoogle検索して表示された59社の中から、本格的な診療圏調査を無料で提供している会社の内、3社を以下の理由により選出。
なの花東日本(メディカルシステムネットワークグループ)…該当企業の中で唯一、開業のコンサルティング費用が無料で、自社でテナント(医療ビル・モール等)を企画開発している。
PHCメディコム…該当企業の中で、医院継承に対応し、最も多くの医療ITシステムを開発している。
アプト…該当企業の中で、23区、23区外(諸島部除く)戸建て物件の紹介数が最も多く、不動産仲介業や建築工事業を行っているため、自由度の高い物件を見つけることができる。