クリニック開業における準備のひとつに「保険への加入を検討する」という点が挙げられます。しかし、どのような保険に加入すれば良いのかわからない方もいるかもしれません。そこでこちらの記事では、「なぜ開業時に保険加入を検討すべきなのか」「加入を検討すべき保険の種類」についてまとめました。
クリニックを開業する際には、開業医ならではのリスクへどう対応するのかあらかじめ考えることが大切です。クリニック開業後に発生する可能性があるリスクには、下記のようなものが挙げられます。
例えば、院長自身やクリニックの建物・設備などに何かしらの不具合が生じてしまうと、クリニックを休診せざるを得ないケースも十分考えられます。しかし休診してしまった場合には、収入が途絶えてしまう可能性も。このような点から、さまざまなリスクに対応するためにも保険への加入を検討しておくことがおすすめといえるでしょう。
クリニックを開業する際に加入を検討すべき保険にはさまざまな種類があります。ここでは「休業補償」「火災保険」「生命保険」について、どのような保険なのか・なぜ加入を検討すべきなのかについて解説します。
休業補償とは、何らかの原因でクリニックが休業せざるを得なくなってしまったケースに備えるための補償です。クリニック休業中は、当然診察ができないことから収入がストップしますが、その間にもスタッフの給与や賃料、借入金などの支払いは発生します。この点から、通常通り診療を行っている場合に見込まれる所得について、その一部でも補償される保険への加入を検討することがおすすめです。
例えば、「所得補償保険」は、院長が療養を行うために休業する場合の所得を補償する内容の保険であり、開業時に加入するケースが多い点が特徴です。短期休業に加えて長期療養のケースをカバーするようなプランニングもできます。
また「GLTD(団体長期障害所得補償保険)」と呼ばれる保険もあります。こちらは、上記でご紹介している所得補償保険と同様に、病気や怪我などが原因で就業できなくなった場合、所得を補償する内容になっています。
クリニックを運営していく中では、何らかの理由でクリニックの建物・設備が被害を受ける可能性もゼロではありません。例えば火災や台風、浸水被害などによって被害を受けることもあるかもしれません。このような場合、設備や機器に発生した損害を補償する役割を持っているのが火災保険です。
豪雨被害によってクリニックが浸水してしまった、重要な設備が被害を受けてしまったなどの場合には、しばらくの間休診せざるを得ないケースもあるでしょう。そのような時にも、スタッフへの給与支払いや家賃の支払いなどが発生しますので、最低でもその分の支払いについてカバーできる保険への加入を検討することがおすすめです。
浸水や火災、強風などによってクリニックが被害を受けた場合には、その損害額も大きくなりやすい傾向があります。この点からも、万が一を考えて火災保険は加入しておくべきといえるでしょう。
医師・医療施設賠償責任保険とは、クリニックを運営していく中で医療事故などが起きた場合の賠償や弁護士費用などを総合的に補償することを目的とした保険です。近年では医療事故があった場合には医師個人が訴えられるケースも多いため、この部分についての補償もしっかりと検討しておきましょう。
勤務医時代にも、医師賠償責任保険に加入していたケースもあるかもしれませんが、クリニックを開業した場合には、責任者としての範囲が広がるため、改めてこの点についての保険を検討する必要があるといえます。
医師・医療施設賠償責任保険の特徴は、加入者だけではなくスタッフが行った医療行為に起因する医療事故が発生し、保険加入者が使用者として責任を問われることになる場合も補償の対象になる点です。
クリニックを経営する中では、このように施設管理に対する賠償責任補償までしっかりと考えておくことが大切です。
医師だからといって病気にならないわけではありませんので、医師自身の生命保険について検討を行うことも大切です。勤務医時代にすでに個人として生命保険に加入している方が多いと考えられますが、保障内容を改めて見直しておきましょう。
万が一、院長が死亡してしまった場合、残された家族がその後の生活を送っていけるように必要な資金を残すという点はもちろんですが、クリニックの借入金対策や事業保障対策に必要な資金を残すことも必要です。このような点から、生命保険を検討する際の必要保障額の考え方としては、生活保障に必要な額に加えて、事業保証に必要な額を加算する必要があります。
また生命保険にはさまざまな商品があり、養老保険等を活用することでスタッフの退職金を積み立てるなどの使い方も可能となってきますので、検討・加入にあたっては専門家に相談してみると良いでしょう。
クリニックを開業する際に検討するべき保険についてご紹介してきました。開業時に保険への加入について考えるのはもちろんですが、時間が経過するにつれて状況も変化してきます。そのため、一度加入してそのままにしておくのではなく、開業後にも環境の変化に合わせて保険の見直しを行っていくことをおすすめします。
引用元:なの花東日本公式HP(https://www.msnw-kaigyou.jp/)
引用元:PHCメディコム公式HP(https://www.phchd.com/jp/phcmn)
引用元:アプト公式HP(https://www.iinkaigyo-navi.net/)
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