消化器は食べたものを吸収する器官のため、下記臓器の病気を治療する診療科目です。
また内科なので外科手術は対応しません。ただし塞栓術やラジオ波などで治療を行なうケースはあります。
消化器内科が対応する範囲として胃潰瘍や虫垂炎、各臓器に発生した癌などが中心です。悪化しているケースなら他の病院へ紹介となりますが、技術が発達した現代では、ある程度進行していても内科で対応できるケースが増えています。
検査では胃や腸などへの内視鏡検査が対応範囲です。主に患者は胃やお腹が痛いなどの症状や無症状時に検査目的で訪れます。
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消化器内科を開業するときの立地条件は、一般内科クリニックの条件と同様です。
内科とともに消化器内科を標榜するクリニックも多いため、診療圏調査は非常に重要となります。診療圏調査の内容は、希望エリアのなかに、仮のクリニック開業予定地を設定します。その地点から半径500メートルから1キロメートル程度の地域に同じ診療科で競合する医療機関がどれくらいあるかを調査するものです。
これに地域の人口や受診率などを予想しておおよその患者数を割り出します。物件については、比較的メジャーな診療科ですので、ビルの1階など視認性が良い物件がベストです。
しかし、内視鏡検査をアピールして、上部・下部とも実施するのであれば、広さも必要になりますので、ビルの上層階などでも集患はあるでしょう。駅からはなるべく近いほうが良く、徒歩5分以内の場所が望ましいです。
内装では、近年集患のために凝ったインテリアなどを施しているクリニックもあります。もちろん、一部の方には非常に好評な面もあるでしょう。しかし、消化器内科のように中高年層を中心とした患者さんが来院する場合、洗練されたおしゃれな内装というよりも、清潔感や安心感がある内装が良いでしょう。
特に、内視鏡検査は手術などと同様に、患者さんにとって非常に緊張するものです。その緊張感を和らげられるような内装がベストです。
具体的には、待合室の場合、天井の高くしたり、座席と壁との距離を開けたりすることで、圧迫感を緩和する、患者さん同士が近くなりすぎないように工夫をするなどがあげられます。
また、消化器内科特有のレイアウトとして、下部内視鏡を実施する場合、検査までの待機室や、検査後の回復室なども必要になるでしょう。そのため、通常の内科よりも広いスペースが必要な場合もあります。
また、トイレも男女別はもちろん、他の診療科よりも、どちらも個室を多めに設置する必要があります。
まず、事務方の採用については、ほかの診療科と同様に、医療事務や受付業務の経験が豊富な人材を採用することが重要です。開業直後は少なからず混乱も予想されますので、中心人物を決めておき、その人の指示で対処していくことが必要になります。
基本的には紹介などが望ましいですが、なかなか決まらない場合には、派遣会社などにもあたってみましょう。医療スタッフでも、経験豊富な人材は欠かせません。消化器系の看護経験が豊富な看護師が1人いれば、その人を中心として業務を回していくことが可能になります。また、消化器内科独自のスタッフとしては、消化器内視鏡技師がいます。内視鏡検査が多いクリニックでは、採用しているクリニックもあります。
近年では、内視鏡検査の重要性も広まり、消化器内科クリニックは増加傾向にあるといわれています。そのなかで患者さんを集めるためには、やはり他クリニックとの差別化が重要になってきます。多くの患者さんにアピールできるのは、やはりインターネットを使用したツールです。
特にホームページは有効で、どのような治療をおこなっているのか、内視鏡は上部だけなのか下部も実施しているのかなどをわかりやすく表記しておきましょう。
治療内容の紹介だけではなく、直接診療予約なども受け付けられるシステムもあります。また、差別化という点では、内視鏡検査だけではなく、ほかの専門外来を設けるのも集患につながります。
先生の専門分野にもよりますが、クリニックでの肝胆膵の専門外来は、まだ少ない状況ですので、差別化ができるでしょう。
以下に消化器内科を開業する際の開業資金をシミュレーションしてみました。開業地や物件により金額は変動します。また,医師会への入会費用は含まれません。
不動産 | 敷金 2,880,000円 礼金 528,000円 仲介手数料 528,000円 |
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設計・施工 | 設計・施工 22,000,000円 看板・サイン 550,000円 |
医療機器 | 検査機器(内視鏡検査システム、内視鏡洗浄機器、画像ファイリングシステム等)7,700,000円 その他(超音波診断装置、X線撮影装置等、自動血球計数装置、CRP測定装置、ファイバースコープ、吸入器、全自動身長体重計、滅菌機、AED等)13,200,000円 |
システム | 電子カルテ 3,300,000円 WEB予約システム 880,000円 オンライン診療システム 440,000円 |
家具・家電 | 2,750,000円 |
採用 | 採用経費 220,000円 |
マーケティング | ホームページ制作 1,100,000円 開業前各種広告費用 2,200,000円 |
資材等 | ロゴマーク作成 110,000円 名刺 55,000円 パンフレット 330,000円 診察券 55,000円 封筒 55,000円 |
研修時人件費 | 1,100,000円 |
行政手続き | 社労士(労働保険、社会保険)110,000円 行政書士(開設届関係)220,000円 |
その他 | 雑費(備品、ユニフォーム等) 1,650,000円 |
計 | 61,411,000円 |
消化器内科は東京で開業する場合、ライバルが多い点には注意しなければいけません。
同じクリニックで重複している診療科目も含めた調査ですが、東京の内科系診療科目件数と割合は下記のとおりです。
もっとも多いのは一般内科ですが、次いで多いのが循環器内科、そして3番目が消化器内科。患者の取り合いになるため、他の診療科目よりも差別化を重要視しなければ、経営を続けるのが難しい診療科目です。
他の診療科目も含めて総合的に診療するか、消化器内科に絞るなら、医院のコンセプト、ターゲットを明確にし、戦略を練る必要があります。
特化するのは診療内容だけではありません。
内装や待ち時間短縮、スタッフの質にこだわり、患者の負担を減らすことで治療の満足感を高める方法もあります。
下部の内視鏡に対応するなら、異性に見られたくない気持ちを重視して男性または女性でスタッフを統一するなどのコンセプトも差別化されるポイントです。もちろんコンセプトが患者に伝わる広告展開も欠かせません。
ピロリ菌の便中や血中尿中、そして尿素呼気試験など自費診療にあたる検査に対応し、収益を増やす方法も考えられます。
東京で消化器内科を開業するにあたり、コンセプト次第で準備する設計や設備が異なってきます。
特に大腸内視鏡検査で重視したいのはトイレです。検査前の下剤時、患者側で考えると、クリニックに来ている以外の人も使うトイレは行くタイミングが難しく抵抗感も大きくなります。
たとえば、利用者が多い東京の施設内医療モールにある共用トイレだけだった場合、「二度と行かない」と思われてしまうケースも。
待機場所とトイレが一体化された個室の準備、内視鏡による下剤注入で準備時間を短縮するなど工夫しているクリニックもあります。
そういった工夫は、費用はかかりますが、よい口コミが集まり集患につながる設計です。
医療機器として用意する一例は下記が挙げられます。
どうしても内部に挿入する映像機器を使用するため、滅菌機や洗浄機なども準備しておかなければいけません。
1日に何度か検査を実施する想定なら検査機器も複数設置しておく必要があります。
患者を待たせないための予約システムなども東京のクリニックでは一般的なので、導入しておくべきです。
合わせて活用できる電子カルテがあれば、作業や過去の診療記録を調べる時間も短縮できます。
まだ開業する消化器内科のコンセプトが決まっていない方は、多くの成功事例情報をもつクリニック開業サポート会社へ相談し、情報を収集しておきましょう。
【3社の選定理由】
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