クリニックの開業は、多くの医師にとってキャリアで目指す到達点のひおっつです。クリニック開業を考えるうえで、大きな分岐点が「入院ベッドを置くか否か」という選択になります。単なる設備の問題と思いがちですが、医療スタイル・経営・人生設計そのものを左右する重要な決断です。
本記事では、有床診療所と無床診療所、それぞれのメリット・デメリットを多角的に解説します。
クリニックの形態は医療法で明確に区分され、19床以下の入院設備を持つ施設が「有床診療所」です。この病床の有無が、開業手続きの難易度や建物の設計に影響します。
主に「届出制」で、行政手続きは比較的シンプルです。
患者の宿泊を伴うため、安全確保の観点から「許可制」が採られます。保健所の厳しい現地調査をクリアする必要があり、病室面積や廊下幅、スプリンクラー設置(※条件による)など施設基準は格段に厳しく、初期投資が増大する一因です。
施設の構造が変われば、スタッフ体制や院長の働き方も大きく変化します。
法的には医師一人でも運営可能。専門性を活かした少数精鋭のチームで機動的に動ける点が魅力です。診療時間を明確に区切れば、ワークライフバランスも保ちやすいでしょう。
24時間365日の入院患者対応が不可欠なため、医師一人での運営は認められません。定められた人数の看護職員などを常に配置せねばならず、人件費は大きな固定費となります。夜間の緊急呼び出し(オンコール)もあり、院長には臨床家としてだけでなく、組織を率いる経営者の重責が求められます。
無床診療所が外来に特化して「地域医療の入り口」を担うのに対し、有床診療所はより多機能な「ハブ」としての役割を果たします。入院設備は、クリニックの可能性を広げ、地域医療への貢献を可能にします。
無床と有床では、事業モデルや資金計画が全く異なります。
テナントビルの一区画でも開業でき、初期投資を抑えることができます。比較的リスクを管理しやすいモデルと言えます。
広い面積と特殊な設備が必須なため、土地購入や新築が伴えば総投資額は1億円を超えることも珍しくありません。24時間稼働の光熱費や人件費も大きな負担です。入院基本料や各種加算は、外来診療だけでは得られない多様な収益源となります。ですが、病床稼働率に大きく左右されるため、安定経営には高度な運営手腕が問われる、ハイリスク・ハイリターンな事業モデルなのです。
無床の成功は医師個人の技量に、有床の成功は臨床能力に加えて卓越したマネジメント能力にかかっています。医療で目指したい形、許容できるリスク、情熱を注ぎたい役割を考えておくことが大切です。
引用元:なの花東日本公式HP(https://www.msnw-kaigyou.jp/)
引用元:PHCメディコム公式HP(https://www.phchd.com/jp/phcmn)
引用元:アプト公式HP(https://www.iinkaigyo-navi.net/)
【3社の選定理由】
2022年3月17日時点「クリニック開業 東京」「医院開業 東京」とGoogle検索して表示された59社の中から、本格的な診療圏調査を無料で提供している会社の内、3社を以下の理由により選出。
なの花東日本(メディカルシステムネットワークグループ)…該当企業の中で唯一、開業のコンサルティング費用が無料で、自社でテナント(医療ビル・モール等)を企画開発している。
PHCメディコム…該当企業の中で、医院継承に対応し、最も多くの医療ITシステムを開発している。
アプト…該当企業の中で、23区、23区外(諸島部除く)戸建て物件の紹介数が最も多く、不動産仲介業や建築工事業を行っているため、自由度の高い物件を見つけることができる。