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東京都新宿区のクリニック開業事情

クリニック開業を考えている医師に向け、東京都新宿区において将来的な予測も踏まえて解説します。

東京都新宿区のクリニックの特徴

東京都新宿の施設数および、東京都全体と比較した人口10万人あたりの施設数は下記のとおりです。(2021年11月時点のデータ)

新宿区のクリニック件数
引用元:公益社団法人日本医師会「地域医療情報システム」 https://jmap.jp/cities/detail/city/13104

もっとも多いのは内科で、次いで外科と皮膚科が多くなっています。

東京の県庁所在地でもあるためか、東京全体と比較すると、どの診療科目も人口10万人あたりの施設数は多い状況です。

東京都新宿区の小児科開業

比較的10万人あたりの施設数が東京都全体との差が少ない診療科目は、下記のふたつです。

小児科においては、新宿区の年齢層をみると少ない理由が分かります。

下記は2015年国勢調査における、新宿区の年齢層ピラミッドを全国と比較するために新宿が発表したグラフです。

新宿区の年齢層ピラミッド
引用元:新宿区「新宿区人口ビジョン」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000305652.pdf

全国と比較すると20歳以下の年齢層が非常に少なく、20歳から40歳までの人口が多くなっています。

つまり新宿区は子育てする地域としてではなく、大人になった人が働く場所として住んでいる人が多い地域ということ。ライバルが多くなるため、小児科を開業するなら広告宣伝に力をいれなければいけません。

東京都新宿区の耳鼻咽喉科開業

2021年11月時点の集計値をもとにした新宿区の診療科目数から考えると、耳鼻咽喉科だと比較的ライバルが少なくなります。

勤務している会社員がメインとなる新宿区において、花粉症の患者に力を入れるといった方法もあるでしょう。

他にも技術の発展により手術でも体への負担が少なく痛みを抑えられる、内視鏡の手術なども差別化しやすい治療内容です。

ただしあくまで新宿区全体の医療機関数から考えた場合となりますし、現在の診療科目数が少ないからといって、簡単に専門外のクリニックを開業できるわけではありません。

新宿区からさらに細かいエリアで考えると、得意とする分野でのクリニックが向いている可能性もあります。

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東京都新宿区は将来も人口が大きく減らない予測

東京でクリニックを開業するにあたり、気になるのは人口予測です。将来的に人口が減少すると予測されるエリアだとクリニックを開業しても、患者を集めにくくなってしまいます。

新宿より2021年に発表されている資料では、将来的な人口推計が出生状況を3つのシナリオに分け想定しています。

新宿の人口推移予測
引用元:新宿区「新宿区人口ビジョン」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000305652.pdf

いずれの場合でも2035年あたりまで増加し、以降はゆるやかに減少。日本の他地域から考えると減少し始めるまでは先になります。

人口推移予測の観点で考えると新宿区は必ずしも経営が難しい場所というわけではありません。

東京都新宿区の人口推移で注目すべき外国人割合

人口の推移で考えると新宿区の場合、外国人人数も注目しておくべきポイントです

下記は同じく2021年に新宿から発表された、住民基本台帳人口の推移を日本人と外国人で分けたグラフです。

新宿の外国人推移
引用元:新宿区「新宿区人口ビジョン」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000305652.pdf

2013年以降は年々増加傾向にありました。2020年からは新型コロナウイルスの影響によって入出国制限がかかったこともあり大きく減少していますが、10月には再度増えつつあります。

将来的にもまた安定した情勢が続けば、外国人は再度増加する可能性も予想されるのです。

外国人が増える状況となれば、英語対応可能なクリニックの需要が高まります。

新宿区エリアでクリニックを開業するための準備

開業に必要な許認可と要件

新宿区で診療所・歯科診療所を新規開設するためには、事前に許可を受け、開設後10日以内に診療所開設届を提出する必要があります。

まずは図面を持参して、事前相談をしましょう。

添付書類

さらに、許可を受けて開設後10日以内に、診療所開設届2部を、以下の添付書類各2部とともに提出してください。

クリニックの開業までの流れ

①診療圏の調査・物件選定

開業の6~9ヶ月前に、開業エリアと具体的な物件を選定するために、診療圏調査を行います。

調査のポイントは、人口・競合数・立地・発展性の4つです。特に物件の500m以内は重点的に調査し、人口や人の流れ、駅や商業施設などから近いか、発展性があるかチェックしてください。

調査が終われば、条件に合う物件探しを行い、少なくとも開業4ヶ月前までには物件契約を済ませておきます。

②内装工事

物件契約をしたら、設計業者との請負契約をして内装工事にとりかかります。規模により工事期間は異なりますが、開業の4ヶ月前に開始するのが一般的です。保健所へ提出する必要があるので、図面を出してもらいましょう。

③開設手続き(保健所)やその他の書類提出

医療法では開設後10日以内に届け出る必要がある「開設届」は、管轄の保健所に提出します。

一般的には物件の内装工事が完了した時点で開設届を提出しますが、揃えるべき書類も多く、診療所の仮の名称や診療科目も決めておく必要があります。

ほかにも社会保険事務所、福祉事務所、労働基準監督署、地区医師会、都税事務所、税務署、ハローワーク、年金事務所、所轄消防署などに書類提出が必要となります。

そのため、開設手続きは保健所所に事前相談に行き、早目に取りかかりましょう。

④保険医療機関指定申請(厚生局)

保険診療を行うためには、厚生局へ「保険医療機関指定申請」をする必要があります。診療所としての開設届が受理されてから、厚生局で申請をします。

この申請がないと、保険診療ができないので注意しましょう。また申請は月に1度、受理されるまでに約1ヶ月かかります。受理後の翌月1日付けで保険医療機関の指定を受けられるため、厚生局に提出期限を確認し、開業タイミングで指定を受けておかなければなりません。

クリニック開業の費用相場

東京でクリニック開業にかかる費用相場は、工事費が1,000〜2,500万円、家賃・保証金などに300〜500万円です。合計すると2,000〜3,000万円ですが、診療科目ごとに必要な機器やクリニックの広さなどが異なるので費用には幅があります。

また開業にあたってホームページを作ったり、看板を設置したりといった広告費用も300万円前後みておきましょう。

以下のページでは、費用に関する詳細を紹介しています。詳しく知りたい方は、ぜひご確認ください。

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