東京都八王子市においてクリニックの開業を検討している医師に向け、役立つ情報を解説します。特に重視すべきは、現在の人口比に対するクリニック件数や、将来的な人口動態の予測です。
最も件数が多いのは内科で、次いで外科、小児科、皮膚科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科などが続く構成となっています。この順位傾向は東京都全体と大きく変わりません。
しかし、開業において重要な指標となる「人口10万人あたりの施設数」を東京全体と比較した場合、八王子市には大きな特徴があります。
八王子市は、主要なすべての診療科目において人口10万人あたりのクリニック件数が東京都全体平均を大きく下回っています。
一般診療所全体では、八王子市の人口10万人あたりの施設数は約57施設であるのに対し、東京都全体では約94施設となっています。八王子市は50万人を超える人口を抱える多摩地域最大規模の都市でありながら、人口に対するクリニック件数が少ないため、東京中心部と比較して競合リスク(ライバルとの患者の奪い合い)が比較的少ない地域と言えます。地域ごとの患者ニーズを正確に把握し、適切な立地を選定できれば、安定した患者数の確保を狙えるポテンシャルの高いエリアです。
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現在の競合が少なくても、中長期的に安定した経営を続けるためには将来的な人口推移も予測しておかなければなりません。八王子市が公表している将来人口推計のデータは下記のとおりです。
八王子市の推計によると、2020年の約57.9万人を起点として、今後は緩やかな人口減少が続くと見込まれています。市の推計では2030年に約56.7万人、2040年に約54.6万人、2060年には約48.9万人となる見通しです。東京全体と比較すると人口減少が進みやすい地域ではありますが、50万人を超える大きな人口規模を背景として、中長期的にも一定の医療需要が期待できるエリアです。
総人口は減少傾向へ向かうものの、年齢階級別の動態を見ると、これからのクリニック経営における重要なポイントが見えてきます。
八王子市では年少人口や生産年齢人口が減少する一方で、65歳以上の高齢者人口の割合は上昇し、2040年には総人口の約3分の1を占めると見込まれています。特に75歳以上の人口は、2020年の約8.1万人から2040年には約10.2万人へ増加する推計です。そのため、慢性期疾患の管理や老年期特有の疾患を対象とする内科、整形外科、眼科、皮膚科、さらには在宅医療・訪問診療などは、今後も長期にわたり安定した需要が期待できる診療分野と言えます。
また、八王子市は市域が広く、JR八王子駅・京王八王子駅周辺の中心市街地だけでなく、南大沢、八王子みなみ野、高尾など、それぞれ人口構成や生活圏が異なるエリアが存在します。駅前テナントや医療モールでの開業を目指すのか、住宅地で駐車場を確保した戸建て開業を目指すのかによっても、診療圏の特性は大きく異なります。市全体の人口だけで判断するのではなく、候補物件周辺の年齢構成や競合クリニック、交通手段まで細かく分析することが重要です。失敗しないためにも、専門のサポート会社へ相談し、詳細なデータを取得しておくことが推奨されます。
医療法人が法人の名義で八王子市内にクリニックを開設する場合には、事前に医療法に基づいた診療所開設許可が必要です。「診療所開設許可申請書」を管轄の八王子市保健所へ提出し、許可を受けてから開設します。
八王子市では開設許可の標準処理期間を15開庁日としているため、開業予定日から逆算して余裕を持って申請してください。また、構造設備などが基準に適合している必要があるため、物件契約や内装工事を進める前に、平面図などを用意して保健所へ事前相談しておくことが大切です。
許可取得後、実際にクリニックを開設した日から10日以内に「診療所開設届」を提出する必要があります。
それぞれに必要な代表的提出書類を、以下にまとめました。
※エックス線装置を備え付けた場合、別途「診療用エックス線装置備付届」を設置後10日以内に届け出ること
クリニックを開業し、スムーズに経営を軌道に乗せるためにはスケジュール管理が極めて重要です。一度場所を決めてしまうと簡単には移転できないため、以下のステップを余裕を持って進めましょう。
まずは、開業を希望するエリアの競合状況や人口動態を把握するため、診療圏調査を必ず行いましょう。一般的には、クリニックを中心とした周囲500m〜1km圏内を重点的にリサーチします。
特に八王子市は市域が広く、駅前・住宅街・郊外型エリアで住民の年齢構成や移動手段が大きく異なります。単純な人口だけではなく、昼間人口や交通量、競合医院の診療科目なども含めて物件を比較することが重要です。調査結果に基づいて最適な物件(テナントや医療モールなど)を選定し、内装工事に必要な期間も考慮して、開業予定日の4ヶ月前までには契約を完了させておきます。
物件の契約完了後、医療専門の設計・内装業者と打ち合わせを行い、工事に着手します。この時、保健所への事前相談や開設許可申請に必要となる平面図を必ず手配しておいてください。
内装工事の工期自体は約2ヶ月ですが、その後の各種申請手続きにも時間を要します。また、構造設備の基準を満たしていなければ設計変更が必要になる可能性もあるため、設計段階から八王子市保健所と相談しながら進めることが重要です。
医療法人による開設の場合は、事前に「開設許可申請書」を八王子市保健所へ提出します。八王子市における標準処理期間は15開庁日とされているため、開業日に間に合うよう余裕を持ったスケジュールを組んでください。許可を受けてクリニックを開設した後は、10日以内に「開設届」を提出します。
その他、税務署、労基署、ハローワーク、医師会、消防署など、多岐にわたる機関への手続きが必要となるため、早めの書類準備が不可欠です。
保健所の手続きを終えただけでは自由診療(自費診療)しか行えません。健康保険を適用した保険診療を行うには、関東信越厚生局にて「保険医療機関指定申請」を行い、保険医療機関としての指定を受ける必要があります。
保険医療機関の指定には所定の申請締切日が設けられており、希望する指定日に合わせて事前に手続きを進める必要があります。保健所での開設手続きと厚生局への指定申請のスケジュールがずれると、予定していた開業日から保険診療を開始できない可能性があるため、両方の手続きを逆算して準備してください。
東京でクリニックを開業する際にかかる総費用は、およそ2,000〜3,000万円が一般的な相場とされています。このうち「内装工事費用」が1,000〜2,500万円ほどを占め、最大の割合となります。もちろん、導入する医療機器の有無や、診療科目(設備投資の大きい科目など)、物件の規模によって金額は大きく変動します。
以下のページでは、クリニック開業に伴う初期費用や運転資金の費用相場について、より詳しく紹介しています。予算計画を立てる際の参考に、ぜひご覧ください。
引用元:なの花東日本公式HP(https://www.msnw-kaigyou.jp/)
引用元:PHCメディコム公式HP(https://www.phchd.com/jp/phcmn)
引用元:アプト公式HP(https://www.iinkaigyo-navi.net/)
【3社の選定理由】
2022年3月17日時点「クリニック開業 東京」「医院開業 東京」とGoogle検索して表示された59社の中から、本格的な診療圏調査を無料で提供している会社の内、3社を以下の理由により選出。
なの花東日本(メディカルシステムネットワークグループ)…該当企業の中で唯一、開業のコンサルティング費用が無料で、自社でテナント(医療ビル・モール等)を企画開発している。
PHCメディコム…該当企業の中で、医院継承に対応し、最も多くの医療ITシステムを開発している。
アプト…該当企業の中で、23区、23区外(諸島部除く)戸建て物件の紹介数が最も多く、不動産仲介業や建築工事業を行っているため、自由度の高い物件を見つけることができる。